デジタルカメラや携帯電話を使って資料を撮影する利用者
そこでも書きましたように、図書館がコイン式複写機を設置して、何ら職員がチェックすることなく、極端に言えば、本の一冊丸々複製も可能という状況は、著作権法第31条の「図書館等における複製」という厳しい条件下で複製サービスを認めている趣旨からして違法といっていいでしょう。
デジタルカメラや携帯電話の場合は、大量に撮影することは余り考えられず、例えば、料理本の1ページを写真にとるとか、新聞に載ったニュース記事などを撮影するような利用の仕方で、それほど、権利者の利益を侵すとまでは言えないようにも思えます。
しかし、著作物の宝庫である図書館で、わずかずつであっても、自由にあれもこれも撮影しまくるというのは、あまり感心したことではありません。
また、それをすることによって、周りで静かな環境で読書をしている他の利用者に迷惑を及ぼすことも当然考えられます。
図書館として、そのようなデジタルカメラや携帯電話による撮影は認めないという方針をとるのであれば、それは、一つの見識といえましょう。著作権法で止めるのは難しいので、根拠としては、静かな読書環境を保ちたいという図書館という施設の管理権に基づいて、利用者に止めてもらうよう注意すべきでしょう。
http://www.cric.or.jp/qa/cs03/index.html
文化庁の著作権なるほど質問箱によると、
図書館の利用者から、自己が所有するハンディコピー機やデジタルカメラを持参して当館の図書資料を複製したいとの相談がありましたが、著作権の問題はありますか。
利用者が違法に利用することを承知していながら複製を認めた場合などの特別な場合を除き、一般的には著作権の問題はありません。著作権法では、私的使用のための複製(第30条第1項)を認めており、個人的な利用目的で利用者が自己の機器を用いて著作物を自ら複製することは、著作権者に無断でできます。なお、著作権の問題とは別に、図書館の管理上の問題として、持ち込み機器によるコピーを禁止することができるのは言うまでもありません。
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